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【修復-6】楽法寺金剛力士立像(阿形) 像内納入品
1519年前後(室町時代) 修復年 2019〜2020年
阿形像を解体した際に像内から発見された納入品の一部です。いずれも仁王像の大がかりな修理が行われた永正16年前後に納められたものです。
棟札のような木札には、当時戦乱や天災、飢饉が続いていたこと、永正16年(1519)に仁王像を修理したこと、またどのような人が関わって修理したのかなど、詳細に記されています。また、坂東三十三箇所を巡った巡礼者が書いた小さな木札も複数見つかりました。
小さな巻子は法華経で、廻国聖が全国六十六カ国を巡って納めたことから「六十六部」とも呼ばれるものです。全部で8巻見つかり、4本ずつに分けて五色の糸で括られていました。その巻頭・巻尾には写経の発願者の名や、関係する地名が記されています。これらの巻子は虫食いによりぼろぼろの状態でしたが、虫穴をひとつひとつ丁寧に埋める修復が、水戸市・寺門泰清堂で行われました。

納入品の発見状況

計8巻の巻子

慎重に糸を解く

破れないように解体する

光に透かしながら虫食穴を埋める

顕微鏡での繊維観察

修復が終わった紙を継ぐ

修復が終わった摺仏

修復が終わった巻子(部分)


棟札形の修理銘札(おもて)


棟札形の修理銘札(うら)

巡礼札


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