【修復-7】東京都 光林禅寺 開山仏智弘済禅師倚坐像

​元禄10年(1697年、江戸時代) 修復年 2005年

 開山仏智弘済禅師は諱を永琢、字は盤珪といい、幅広い人々に分かりやすい説法を行なったことで知られる臨済宗の名僧です。江戸時代前期に活躍し、光林禅寺の創建者でもあります。

 本像も江戸時代に制作されたもので、丁寧な彩色・禅師の人柄に迫るような顔の彫り口など、この時代を代表する作例の1つと言えます。

 修復にあたっては、表面の彩色層が像を運べないほどに浮いていたため、まず現場で養生を施しました。その後、エタノールと精製水の混合液で丁寧に汚れを除去し、同時にプライマルACなどによる剥落止めを施しましたが、剥落が著しく尊容を損ねてしまうような箇所には補彩を施しました。この修復によって、オリジナルに近い鮮やかさを取り戻しました。また研究室としても、盛り上げ彩色などの技術を学ぶ貴重な機会となりました。

​首枘に記された墨書の内容​

​クリーニング後(白いテープは養生紙)​

​養生紙の除去

​剥落止め前

​養生紙を貼って樹脂を塗布する​

​剥落止めの完了​

​クリーニング直後の面部​

​地色を補彩した状態​

​頭髪の復元​

​眉の復元​

復元の参考にした肖像画(紙本着色、​光林禅寺所蔵)

​修復後写真​

​修復後写真​

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