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【修復-11】個人蔵 不動明王踏下像および二童子像(金沢文庫寄託)
鎌倉時代前期 修復年 2009年
精悍な眼差し、プロポーションが整い引き締まった体つきなど、いかにも鎌倉時代はじめに造られた雰囲気の御像です。研究室で修復中、像内に江戸時代の修理銘文が見つかり、そこには「保寧寺住持比丘 蘭丘」「騎西日出安村」などと記されていました。これとほとんど同じ内容の修理銘文が、埼玉県加須市の宗慶作・保寧寺阿弥陀三尊像の像内からも見つかっています。そのため、この不動明王像もかつて保寧寺に安置されており、作者も同じ宗慶であると見られています。宗慶は、静岡県・瑞林寺地蔵菩薩坐像の銘記から、運慶の父康慶のもとで小仏師として働いたことが知られる仏師で、運慶・快慶・定覚・源慶・実慶などと同じ頃に活躍しました。

修復前写真

クリーニング

脱落した部材

像内の銘文
銘文の内容


充填剤の注入

右腕の接合

辮髪の新補

像の形に合わせた方座の新補

宝剣を握る右手内側の補作

矧ぎ目への木屎漆充填

羂索の新補

修復後写真
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