【模刻-18】奈良県 聖林寺十一面観音菩薩立像

朱若麟 制作年 2020年

 奈良県・三輪山を御神体とする大神神社は日本最古の神社の一つですが、その神宮寺の中でも最も古いのが大御輪寺です。聖林寺十一面観音菩薩像はもともとその本尊でしたが、明治時代に神仏分離令を受けて現在の場所に移されました。そびえ立つような体軀と厚くゆったりとしつつ抑揚ある衣文、遠くを見つめる眼差しなど、威厳に満ちた雰囲気を醸し出しています。

 その制作方法は、木材で造った心木に木屎漆を盛って成形するといういわゆる木心乾漆造で、奈良時代に盛んに用いられました。心木は内刳りが腹部と背部でトンネルのように貫通し、また長大な足枘が膝から台座の反花まで貫いています。木心乾漆といっても、塑形に用いる木屎漆には、粘りのあるアキニレの樹皮粉を使うため、漆の使用量を大幅に減らすことができ、また短時間で硬化することができました。乾漆像が衰退した原因を、材料費と制作の困難さが挙げられてきましたが、本像の制作によって、必ずしもそれが原因ではなかったことが証明されました。

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​心木用のヒノキ材の調達​

​心木の粗彫り​

​布貼りの前後​

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​木屎漆による塑形​

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​黒漆で固めた段階​

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​聖林寺像の構造​

​完成した心木

​布貼り​作業

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​木屎漆による塑形完了​

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​化仏の制作​

​台座の制作

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​蕊(しべ)を木屎漆でつくる​

​箔押し

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​像本体の古色​