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【模刻-27】静岡県 願成就院毘沙門天立像(縮模)
鈴木篤・池島康輔・中村恒克・小島久典 制作年 2011年
原本像は、文治2年(1186)、北条時政が奥州藤原氏討伐を祈願して、関東に下向した運慶に制作させたものです。調査では3次元計測も行い、体幹部は上からみると田の字形のような木取りであることが分かりました。特に右半身は木取りが大胆で、用材を節約しようという意識を感じさせないものです。また矧ぎ目が右目にかかるため、頭部は左右2材を固定しておかなければ極めて彫りづらく、運慶も各材を矧ぎ付けたまま作業したのではないかと考えられます。このことから、本像は寄木造でありながら一つの量塊から彫り出すという、一木造的意識が強い構造であると言えます。一方、両肩や腕には角度調整のための仕口があり、人体構造と彫刻的空間構成への強い意識もうかがえます。




模刻像を分解したところ


2体がつながった木取りの邪鬼


玉眼の嵌入
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